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すまいる 0円

ちょっと思いついたものを。


続きよりどうぞ。 『すまいる 0円』


話しかけられれば、アイツはにこりと笑んで受け答えをしている。
それはもう、某ファストフード店の笑顔のように。
その笑顔は、俺にとってどこか嘘くさく見える。
周りの奴らは気づいていないのか、気にしていないようだ。

いつものことだと気にしないようにしつつもついつい目が追ってしまう。
そしてなんだかムカムカとする。


放課後に面倒くさい奴に捉まって、一時間もぐだぐだと言われ教室に戻るともうそこにはぽつんと座っている彼女しかいなかった。
「何してんの?」と声をかけるのも憚れるほど真剣な表情で机にかじりついている彼女。
音をたてないように近づいて、そっと覗きこむとなんの動物か判断し難いものが紙いっぱいに描かれていた。
「たぬき?」
「たわけ!うさぎだ!!」
間髪入れずに答えが返り、しかもみぞおちに拳がめり込んだ。
「ぐっ…。なにしやがる、ルキア」
「貴様がたわけたことをぬかすからだ」
えっへんといわんばかりに胸を張ったルキアに呆れて、うさぎと称されたイラストを見つめるがどうみたって俺にはうさぎには見えなかった。
「って、これ数学の補習プリントですけど」
「おお、そうだ。すっかり忘れておった。私ひとりでこの問題が解けるわけがないのだ。一護、教えろ」
おそらく、俺が捉まっている間に、ルキアも数学教師に捉まってプリントを渡されたのだろう。
自力で解いたらしい部分もあるが、途中で飽きたのか半分も解いていないようだ。
「これ、この間教えた公式。こっちは小テストで引っかかった問題の」
指をさして、伝えると眉間にシワを寄せて考え込んでいる。

五分経っても考え込んだままで、ひとつ溜息を吐くとルキアが唇を尖らせて言い訳めいたことを口にし始めた。
「はいはい、わかったわかった。これ終わらせないと帰れないんだろ。文句言わずに終わらせろ」
「そうだ、一護に解いてもらって答えだけ書けばよいのではないか?」
「来週のテストでまた赤点とってもいいなら構わねえけど」
ぐっとつまった彼女もまた赤点は取りたくないらしい。

「これ、欲しいなら頑張ってみたら」

目の前に掲げた飲み物のおまけにきらきらと瞳を輝かせるルキア。
「くれるのか?」
「プリント終わったらな」
「ありがとう、一護」
ふわりと花が開くような、そんな笑顔だった。
しかめっ面ではなく、やわらかい表情。
俺に、俺だけに向けられたもの。
「終わってから、だからな」
「うむ!」
やる気をだしたルキアに、つい口角がゆるんだ。



「一護、これはしーくれっとのチャッピーではないか!」
満面の笑みのルキアに俺の心臓がひとつ鳴った。


(終)


あとがき

タイトルと違った方向にいってしまった(笑)。



(天麻)
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